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インディアンLINK集

英語のインディアンは直訳するとインド人の意味である。歴史的な文脈では、旧イギリス領インド全域や東南アジアの住民を含むこともある。 何故「インディアン」が二義的な意味を持つようになったかについて、『クリストファー・コロンブスがカリブ諸島に到達した時に、インド周辺の島々であると誤認し、先住民をインディオス(インド人の意)と呼んだことから、アメリカ先住民(の大半)をインディアンと呼ぶようになったからだ』といわれる。 ただ、コロンブス時代の西洋人は、現在および当時のインドと同一ではない、中国・日本以外の東方世界を漠然と「インディアス」と呼んでいて、コロンブスは当時の知識にしたがって、カリブ諸島を「インディアス」と呼んだのである。これはアジアの国々を総括して「アジア国」、そこに住む人間を「アジア人」といったようなものである。 インド人を他者が明確に示す場合はイースト・インディアン (East Indian) などといい、アメリカ先住民を他者が明確に示す場合は、アメリカン・インディアン (American Indian) などという。 おもに平原部族が正装の際に顔や上半身を赤く塗装したことから、また、ネグロイドとコーカソイドの中間の、褐色の肌色を持つことからレッド・マン(Red Man)という呼称もあり、彼ら自身も使用しているが、この言い始めはコロンブスがタイノ族を同じ理由でこう呼んだことによる[要出典]。 NFLチームの「ワシントン・レッドスキンズ」のレッドスキンズ(Redskins)は、「赤い肌の連中」という意味であり、インディアン権利団体はこの名称の変更を要求して抗議を繰り返している。 イギリスではレッド・インディアン (Red Indian) と呼ぶことがあるが、この語は差別的とみなされることが多い[1]。 また、『トム・ソーヤーの冒険』にも出てくる「インジャン」と発音する呼び方は、現代アメリカにおいては「ニガー」などと同様の差別的な蔑称である。 彼ら自身の用語のなかでは、黒人達が「ブラック・パワー運動」のなかで、「白人にこびへつらう黒人」のことを「アンクル・トム」と呼んだのに引っ掛けて、インディアン達も「レッド・パワー運動」のなかで、「白人にこびへつらうインディアン」のことを、「アンクル・トマホーク(Uncle Tomahawk)」と呼んでいる。 また、TV西部劇の『ローン・レンジャー』で、主人公の白人ガンマンの相棒を務めるインディアン青年の「トント」の名は、現在では同じく「白人におもねるインディアン」の代名詞となっている。 人類学・言語学では、アメリンド (Amerind) と呼ぶこともある。ただしこの語は厳密には、アメリカ・インディアンのうち、起源が異なるという説があるナ・デネ(ナヴァホなど)を除いたグループに対する呼称である。 他にファースト・ネーションズ (First Nations)、ファースト・ピープルズ (First Peoples)、インディジェナス・ピープルズ・オブ・アメリカ (Indigenous Peoples of America)、アボリジナル・ピープルズ (Aboriginal Peoples)、アボリジナル・アメリカンズ (Aboriginal Americans)、アメリンディアンズ (Amerindians)、ネイティブ・カナディアンズ (Native Canadians) などの呼称があるが、これらの中には定義が不明確なものも多い。近年メディアにおいて最も使用されるのは ネイティブ・アメリカンズ (Native Americans) である。 カナダでは、イヌイットとメティス(先住民とヨーロッパ人両方の血を引く人々とその子孫)を除く先住民の総称としてファースト・ネーションズという呼称が一般的であり、ハイダ、クリー等個々の部族を指すときは部族名の後に「ファースト・ネーション」をつける(例:ハイダ・ファースト・ネーション)。メティの人々の総称はメティ・ネーションである。また、会話中ではネイティブ・カナディアン(Native Canadian)という呼称が使われることもある。

一括りに呼ばれることも多いこれらの人々ではあるが、実際には多くの部族が存在し、また部族に固有の文化形態や社会様式を持つことから、さまざまな時期にさまざまな経路を通って段階的に渡来した人々の末裔であると考えられている。 ただ、このことを強調し、「インディアンも白人と同じように、北米大陸の外から来たんじゃないか」として、白人に土地収奪正当化の言質を取られることが多く、「先住民」としての伝承文化、独自性を台無しにされるとして一般的にこの話題はインディアンには嫌われている。上記の「ファースト・ネイション」の「ファースト」には、これを踏まえた「最初からいた人たち」という強い意味を含んでいる。 人種的にはモンゴロイドの系列にあり古モンゴロイドに分別される(イヌイットとエスキモーなどを除く)。アラスカ、カナダ、アメリカ合衆国北部の部族は肌の色が赤黒く鼻筋が通り高く盛り上がっており鷲鼻である人が多い。一方、アメリカ合衆国南部、中南米においては東南アジア人に似た部族も存在する等、一様ではない。また、ヨーロッパ人(コーカソイド)との混血、アフリカ黒人(ネグロイド)との混血が進んだ部族も存在し、とくに中南米の純血な先住民はスペイン人の暴虐な侵略でほぼ絶えている。 なお、頭にワシの羽をつけ顔に化粧をするといったステレオタイプは、主に西部劇に登場する大平原のインディアンの儀式の際の姿を参考に、撮影所の美術係がデザインしたスタイルが元になっている。この映画に登場するステレオタイプは非インディアンの間で余りにももてはやされたがために、本来羽根冠の習俗のない部族にまで、このスタイルが採り入れられるようになっていった。初期のハリウッド映画では専ら白人開拓者の敵役とされたが、後年は逆に英雄視する作品が増えた。 インディアンは白人たちから「高貴な野蛮人」などと呼ばれ、しばしば米国のロマンティックなシンボルとして用いられてきた。インディアンの言葉に由来する名前は、米国の地名や野生動物の名称によく見られる。ニューヨークのタマニー・ホールという民主党マシーンはインディアンの言葉を政治に好んで用いた。 インディアンの存在が国家の利益の障害であると見なされると、彼らの人権は近代化の名のもとに踏みにじられてきた。しかし自然崇拝を行う・独自の精神文化を持つなど、近代以降の文明社会にある人間が忘れがちな自然との調和を重視する精神性に対する評価は、近年のアウトドアやエコロジーのブームにのって見直される例も多く、さまざまな文化媒体に登場することもあり、これに注目する人も少なからず存在する。 日本において『アメリカインディアンの教え』と呼ばれる詩は、教育者ドロシー・ロー・ノルト(Dorothy Law Nolte)が1954年に創作したものであり、原題は”Children Learn What They Live”という。ノルトはアメリカインディアンではなく、詩もアメリカインディアンの伝承に基づくものではない。邦題はこの詩をノルトの創作と知らずに自著でとりあげた加藤諦三の創作である。 各々の部族に固有の文化は、関連項目の各部族の項を参照。

2000年の国勢調査で「自分はアメリカインディアンまたはアラスカの先住民」と申告したアメリカ人は、247万人で10年前よりも26%増加していた。さらに一部インディアンの血を引くとした者は160万人だった。都市部で暮らし、保留地外の白人の町で暮らすインディアンは、「シティー・インディアン」と呼ばれる。 特にニューヨークは全米の都市の中で最も多くのインディアンが住み、約8万7000人ものインディアン(モホーク族やモヒカン族など)がニューヨークで暮らしているといわれている。 インディアンはしばしば開拓者や建国初期のアメリカ人が新大陸で生き延びるのに多大な貢献をしてきた。米国とカナダの感謝祭は17世紀にワンパノアグ族とピルグリム・ファーザーズが秋の収穫を共に祝った出来事を記念している。ポカホンタス、スクァント(Squanto)、マサソイト酋長、サカガウィアらは米国の建国神話に欠かせない存在である。初期の開拓者の男性たちは未知の土地で生存するためにしばしばインディアンのサバイバルの知恵を身につけた。彼らの中にはインディアンの女性を妻とした者が少なくなく、結果として多くのアメリカ人がインディアンの血を引いている。 2003年のアメリカ国勢調査局の調査によると、アメリカ合衆国全体のインディアンの人口2.786.652名の三分の一が、3つの州に居住している(カリフォルニア州413,382名、アリゾナ州294,137名、オクラホマ州279,559名)。2000年の時点での調査では、部族ごとに見ると、最大の人口を持つ部族はナバホ、チェロキー、チョクトー、スー、チペワ、アパッチ、ラムビー、ブラックフィート(Blackfeet)、イロコイ、そしてプエブロである。インディアンを先祖に持つアメリカ人はおよそ80%が混血である。2100年までには、10人のうち9人が混血になると見込まれている。 数ある混血の問題では、黒人との混血ブラック・インディアンが、根強い摩擦の種になっている。彼らはインディアンたちの中でも差別され、踊りのリズム感の違いから、儀式から締め出されるなど排除されることが多い。近年、チェロキー族やカイオワ族などはこれを部族員として認める裁定をしている。 インディアンに対する年金支給などを目当てに、非インディアンがインディアンの身分を偽造し、成りすます例も多い。また、実際はイタリア移民だった著名なインディアン俳優アイアンアイズ・コディ(Iron Eyes Cody)酋長など、単純に憧れからの成りすましも多い。こういった偽インディアンの発言が、インディアン文化の理解を混乱させる例も多い。

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